プロのツアーコンダクター(旅行添乗員)として活躍するには派遣会社に登録することが必要です。事務派遣を行なっている派遣会社とは、採用のポイントが異なりますので説明します。

笑顔は何よりのあなたの武器です。
ツアーコンダクターとして採用される人・されない人
ツアーコンダクター派遣会社では、コンダクターの採用にあたり面接や試験、適正テストを行うところが多いです。
事務系派遣とは異なり、はじめからツアーコンダクター(添乗)業務が行える人はいないため、ツアーコンダクター派遣会社では、旅程管理主任者資格というツアーコンダクターが必要な資格を取得させ、添乗業務をプロとしてできるように育てなければなりません。そのため採用時点で実際のスキルを確認するということができません。
それでは、採用者は何を見ているのでしょう。

ツアーコンダクター派遣会社の採用担当は、「人物」をみています。どの仕事も基本は同じだと思いますが、この点でまず合格しなくては、英語や業界知識などがいくらあってもダメです。
ミドル、シニアの方が間違えやすいのがこの点です。
若い方より経験、語学力、知識があることも影響し、ツアーコンダクター業務がサービス業であるということを失念していることがあります。
ツアーコンダクター業務は、「人格商売」といわれます。
必須な能力は、コニュニケーション力です。
基本的なことになりますが、Aを聴かれてA'を、Bを聴かれてB'を的確に応えられるかということ、そして、相手に内容が明確に伝わり、理解してもらえる力が必要です。
+「まごころ」を添える努力をする。
Aを聴かれてC’を応える、また正しい答えを言っていても相手に伝わらないという人も多いものです。面談時にはまずこの点をみるでしょう。
その際、話し方、滑舌が良いか悪か、表情を観察するでしょう。
人に与えるその人の印象、笑顔があるかどうか、その笑顔は本物かということです。
ツアーコンダクター業務は人前で話をする仕事だということを忘れないでください。
大勢の大人をまとめあげるには、とおる声、ハッキリした発音、それに笑顔はとても重要です。ときには空港や観光場所で、大きな声をだしてお客様を招集しないといけない場面もあります。あなたは、恥ずかしがらず、大きな声がだせますか?

次に常識。これは服装、身だしなみ、態度などから採用側は推察するしかありません。
そして判断力、統率力やリーダーシップ、責任感、思いやり、柔軟性を計りたいところですが、これはなかなか採用時にはわかりません。
この仕事はやってみないと本人も、採用側も本当のところはわからないということが多いものです。
そのため採用側は、その後の研修中の態度、実際に実務をさせながら、適正があるかどうかを慎重に見極めています。
最後に英語力、業界知識などです。
語学力は自ら継続努力が必要ですが、業界知識については、研修、実務のなかで覚えていけば問題ありません。
筆記試験などがあってもこれは一般常識の有無をみている程度だと理解していいでしょう。
つまり、採用時、採用側は受験者の「素質」を見ています。
ツアーコンダクター業務はサービス業で先生業ではありません。
特に海外業務ではともすると先生になってしまいがちです。
お客様を安心させ、楽しくさせ、満足させるのが仕事です。
ここにスキルが必要なわけで、これは経験で身に付けるしかありません。
暗い印象、口が重い、身だしなみが不潔に見える、常識に乏しい、動きが緩慢といった印象を採用側が受けると、採用されにくい、ということになってしまいます。
会社を訪問する際には、会社側の案内に関わらず、スーツまたはそれに準ずる服装で訪問しましょう。
旅行航空業界は、他業会よりカジュアルな業界ではありません。
明るさと素直さをもって、面談に臨みましょう。